こんにちわ、大川です。梅雨ですね。はい、梅雨らしいです。降らなきゃ降らないで、夏に困りますからね。まあ、しょうがないのかな。
さて、そんな訳で(?)先日オンラインセミナーで行われた、YJ LAB シリーズ 「ハイライトで使うべきブリーチ剤講座」の内容を少し抜き出した形で今日はブログにしてみたいと思います。
【 YJ LAB シリーズ 】はYJ Methodのヘアカラー知識編になります。ヘアカラーはよく「アートと化学の融合である」と言われていますが、確かに技術だけでも知識だけでもクライアントの望むヘアカラーは作れませんから、どちらも必要な勉強だと思います。
さて、お客さんにとって直接的に自分担当の技術者が、ヘアカラーの知識的な勉強をしっかりしているかどうかを感じるポイントは「カウンセリング時」だと思います。
しっかりとした知識をベースにキャリアを積んだ技術者の場合、カウンセリング時に迷いがありませんし、お客さんにとっても自分のやりたい「わがまま」をぶつけても、適当に料理してくれて、その人にとって最適なカラーにカスタマイズしてもらえます。
さて、カウンセリング時に技術者にとって一番ありがちなミスとはなんでしょう?
答えは。。。
「出来ない事を請け負ってしまう事です」
美容室「あるある」の一つに、「この色やりたいんですけど、ブリーチはしたくないです」ってのがあります。「ブリーチ」って聞くと傷む印象があるので、やりたくない乙女心は分かるのですが、ヘアカラーにおいて望む希望色を作るのに必要な「明度」は決まっていて、その色にしたければどうしても、その明度まで明るさを上げざる得ないのです。
アルカリカラーで必要明度に、その人の毛質的に到達出来そうなら、パウダーブリーチを使わなくて作れますし、無理なら当然ブリーチすることになります。
もしそれがどうしても嫌であれば、カウンセリング時の時点でブリーチを使わずに作れる色で、その人がやってみたい色を進めないといけません。
ただこの「ブリーチ」にも減力する方法は沢山あり、必要最低限まで減力したブリーチであれば、アルカリカラーと大差ないぐらいまで減力は可能で、いかにも「ブリーチした」と言う程まで黄色くしない様にコントロールする事は可能ですが。
YJ Methodでは最終的に目指す結果色の事を「デザイヤカラー」と言いますが、この「デザイヤカラー」にたどり着く為の施術の組み立ての事を「フォーミュレーション」と呼んでいます。
この「フォーミュレーション」をクライアントとカウンセリングしながら、頭の中で組み立てながら会話をするのですが、これが結構難しいのです。
雑誌なんかで「これやりたいです」を言われた瞬間、その人の地毛を眺めて、明度をどれぐらい上げて、どんな色相のカラーをどの程度被せて作るのか、工程は1工程で出来るか、2工程になるか?上げないといけない明度にした結果のダメージに耐えられるか。この人の周期の間、望む明るさでキープ出来るか。作るのに必要ない時間は?コストは? そもそも似合うのか?
もし仮にそのままだとクライアントのTPOに合わないなら、それを合う形にした色で一番近くて、似合いそうな色はどんな色か?
と、案外色々な事を瞬時に考えながら、かつお客さんには難しすぎる話はしないように上手く説明&誘導する。
こんなテクニックがプロに求められる「カウンセリング」であり、雑誌を一緒にみながら「これが似合うよねー」等と話して、「じゃあ、薬用意してきますね」と薬剤ルームに行ってから「さて、どうやって作ろうかな?」では、実はもうその時点で詰んでいる場合が良くあります。
さて、この「フォーミュレイション」の中で難しい見極めの一つに、「必要な明るさまでは絶対に上がるけど、その明るさぴったりで止めやすいライトナー」の選択があります。ちょっと技術的な話になってしまいますが、YJ Method的に考える「その人に似あうカラー」とは「極力その人が本来持つ色を使う」事です。
例えば以前に紹介した【Monaco Brown】を作る場合、Lv7.5~8でピッタリ止める必要があります。この明るさは黄色になる寸前のオレンジぐらいの明るさで、 【Monaco Brown】 を作る為に必要な、非常に強いグリーンやブルーを塗布すると、「寒色になり過ぎないんだけど、ちょうど赤みが消える」と言ったデザイヤカラーを作るのに適してます。
これ以上明るくし過ぎると、 【Monaco Brown】 で必要なブルー&グリーを被せると、ハイライト部分が実際にブルーグリーンになってしまいますし、それを嫌がって被せるブルーグリーンを濁らせると、ベース部分の赤みが飛びません。
他にも地毛の色をなるべく利用するメリットとしては、やはりダメージが軽減できます。Lv7.5でも工夫すればぎりぎり作れる色を、Lv8以上まで上げてしまって、そこに被せる薬をブラウンやグレー等で調整して同じ色を作成する場合、もちろん低いレベルから作った色の方がダメージが小さいですし、なんといっても褪色した後の明るさが全然違いますし、色持ちも長く出来ます。
明るいカラーをクライアントに施術する上でこの件は非常に重要で、「褪色が2週間で黄色くなるんじゃ会社で無理です」なんて人も 黄色くまでしないで作る、中高明度のヘアカラーであればトライ出来る人もぐっと増えるわけです。
ここら辺はもちろんクライアントのTPOで、もう少し明るく抜けても良い、っておっしゃればもっと外国人風に出来るし、逆であれば多少赤みが残るけどカラーの周期をぐっと伸ばせるカラーに出来る。
最初の回は、「まずこれぐらいなら着こなせるかな」って程度でやらせてもらって、次回にさらにその人様にカスタマイズしていく。
そんな作業 すべてをひっくるめて 「フォーミュレーション」=「ヘアカラーの設計書」と呼んで、私は自分のお客の「フォーミュラーシート」(カルテみたいなもの)を施術前&施術後にもめちゃくちゃ書きます(笑
4~5年で自分の身長ぐらいの高さになる「フォーミュラーシート」。
「もう置き場が無いから、直近2~3年分残して捨ててください」と言われ記念撮影w
さて、話が右往左往しましたが、そんな「フォーミュレーション」の基本である明るさを上げる為に使う薬の選定方法 「ハイライトで使うべきブリーチ剤講座:GOLD MEMEBER専用コンテンツ」 のオンラインセミナー録画Verを、なんと一週間だけ無料公開します💛
アルカリ剤のライトナーで行くべきか?パウダーブリーチで行くべきか?
っていうか、この2種類はいったい成分的には何が違うか?
どう使い分けるべきなのか?
減力ってどうやるの?
これを見ればそんな疑問が解決します!
GOLD MEMEBER専用コンテンツ
【ハイライトで使うべきブリーチ剤講座 】
上で出てきてる「ヘアカラー技術者が、ヘアカラーを施術する為に知るべき色彩学」はこちらから視聴できます。
【Color Control with FSD vol.1 色彩学】
今後もヘアカラーの知識編「YJ LAB」シリーズもどんどんやってきますので、是非オンラインセミナーの方にもご参加お待ちしております。
私のInstagramです。もし良かったらどうぞ。